61809/61812/61815は61800シリーズ双方向交流電源グリッドシミュレータを小型化した交流電源です。定格容量は9kVA/12kVA/15kVA*高電力密度出力により高さ3Uを実現、出力モードを単相/三相に切り換えることができます。出力電圧範囲は350Vと広く、並列接続により複数台数の同時出力によって、より大きな電力出力が可能です。
電力回生機能により、消費エネルギーを大きく削減できます。テストで生成されたエネルギーはグリッドシミュレータを経由して電力系統へ戻すことができるため、省エネ&エコロジーなグリーンエネルギー関連産業のテストに相応しい電源です。PVインバータ、エネルギー貯蔵システム(ESS)、パワーコンディショナ(PCS)、マイクログリッド、PHILシミュレーション、EV用充電ケーブルおよびステーション(EVSE)、車載充電器(OBC/BOBC)などのアプリケーションに対応します。
IEC 61000-3-2/-3-3/-3-11/-3-12 、IEEE 1547/IEC 62116に準拠した予備試験が可能で、V2G(Vehicle to Grid)、V2L(Vehicle to Load)、V2H(Vehicle to Home)関連製品の試験に最適です。
出力電圧最大350Vと周波数30Hz~100Hzで出力できます。また、正確な正弦波を出力し、50Hz/60Hz出力時の全高調波歪は0.5%以下です。出力面ではAC出力、DC出力、AC+DC出力モードを備え、DC出力試験も可能です。さらにDCバイアス成分を含むAC試験にも対応しています。電流はRMS電流の3倍のピーク電流を許容し、突入電流テストにも適しています。
61809/61812/61815はRMS電圧、RMS電流、有効電力、パワーファクタ、電流クレストファクタなど幅広い項目の測定が可能です。その他、LISTモード、PULSEモード、STEPモードといったプログラムを使用することで電源ライン異常(PLD)シミュレーションを簡単に実行できます。さらに、SYNTHESIS機能で高調波波形を編集することで、様々な電源状況をシミュレーションできます。
タッチパネルと直感的なユーザーインターフェースによって、簡単に操作できます。標準インターフェースはUSB、LANを装備、オプションでGPIBまたはCANを搭載できます。本体直接操作に加えて専用ソフトを使ってのコントロールや、外部信号入力で自動化システムと連係させることができます。
高電力密度実装
61809/61812/61815は61800シリーズ双方向電源グリッドシミュレータの最新モデルです。最先端のデジタル制御と排熱処理技術、高さ3Uサイズで最大15kVA(*)出力、350Vの広い電圧範囲、単相/三相出力切換、DC100%出力、電力回生など電源試験に必要な機能を搭載しています。また、出力電圧の立ち上がり/立ち下がりスルーレートも改善し、様々な電源試験、アプリケーションに対応できる1台です。
システムインテグレーションにおいては、61809/61812/61815の高さは3Uと非常にコンパクトなためシステム構成の自由度を大きく広げます。同定格出力帯の大型製品と比べても、61809/61812/61815は卓上に載せられるサイズのため、単独での運用にも優れています。
*61815(15kVA)は三相200V~220V電源入力の場合、出力容量は定格出力の80%(12kVA)となります。
タッチパネル&見やすいインターフェース
61809/61812/61815はタッチパネルを搭載し、直感的なユーザーインターフェースによって簡単に設定と操作ができます。プッシュ式ロータリーノブで、設定したいパラメータに移動し、設定値を入力します。全画面表示モードは各種測定値を全画面に表示でき、試験データの目視モニタリングに適しています。
ユニバーサル電源入力
61809/61812/61815は、200VLLから480VLL±10%の幅広い三相入力電圧に対応しています。これにより世界で使用されているほとんどの三相電源(200VLL、380VLL、400VLL、480VLL)で使用することができます。
電源ライン異常(PLD)シミュレーション
61809/61812/61815には、電源ライン異常(PLD)をシミュレーションできる高度なプログラミング機能が搭載されており、製品の検証テストで必要とされる様々な歪んだ電圧波形や過渡状態をシミュレーションできます。STEP、PULSE、LISTモード設定およびSYNTHESIS設定により高調波および次数間高調波測定が可能です。STEPとPULSEモードでは、出力電圧の単一または連続的な変化
を設定できます。LISTモードは、STEP、PULSEモードを組み合わせて最大100シーケンスの複雑な波形を作成できるため、より詳細な電圧条件をシミュレーションすることができます。これらのプログラムモードを駆使することで、IEC 61000-4-11 / -4-13 / -4-14 / -4-28といった国際規格に準拠した予備試験に必要な電圧波形を簡単に作成することができます。
この高度なプログラムは、PCを介することなくタッチパネルで設定することができます。たとえば、LISTモードでは、編集ページですべてのシーケンス設定を行うことができ、検索機能を使用すれば、設定したい項目やシーケンスに素早く移動できます。さらに、プログラミングやコピー機能、貼り付け機能など、スマートフォンのように直感的に操作できます。
SYNTHESIS機能は50/60Hzの基本周波数に対して、最大50次までの高調波波形を作成できます。Inter-Harmonic機能は50/60Hzの基本周波数に0.01Hzから2400Hzの範囲で周波数掃引を実行できます。これらの機能は製品の共振点を分析するのに役立ちます。高調波測定機能は電圧または電流の50次の高調波を測定し、基本電圧、DC成分、全高調波歪みなどの値を表示します。
並列接続運転
61809/61812/61815は並列に3台まで接続でき、出力電力を拡張することができます。例えば、61815を3台並列接続することによって、高さ9Uサイズで総電力45kVA(*)を出力することができます。
*61815(15kVA)は三相200V~220V電源入力の場合、出力容量は定格出力の80%(12kVA)となります。
メインアプリーション
電源および電力グリッド関連テスト
グリッドシミュレータは4象限動作かつ100%逆潮流電流に対応する電力系統模擬が可能な双方向交流電源です。電源の様々な条件の試験を必要とする家電や産業用電子機器だけでなく、PVインバータや電源に接続された状態のUPSテスト用にグリッド特性をシミュレートできるように設計されています。下図のように、DUTからの電力をシンク側とソース側両方にシームレスに供給できるため、様々なアプリケーションに対応できます。DUTが電流を供給する場合、検出回路が出力電力を検知し、電力系統に回生します。
EV関連テスト
61809/61812/61815は、EV充電ケーブルおよびステーション(EVSE)、車載充電器(OBC)などの電気自動車業界関連製品に向けた電力テストソリューションに対応し、EVSE規格のSAE J1772(ACレベル1、ACレベル2)、中国OBC規格QC/T 895に準拠した予備試験を行うことができます。
業界の動向としてOBCの開発トレンドはV2G(Vehicle to Grid)、V2L(Vehicle to Load)、V2H(Vehicle to Home)などの双方向の充放電アプリケーションに向かっています。例えば、双方向車載充電器(BOBC)に関連するテスト要件を電力回生機能、AC負荷機能(オプション)、PLDシミュレーション機能を持つ61809/61812/61815ならば満たすことができます。
回生式交流負荷機能 (オプション)
Chroma 61809/61812/61815機種のオプションB618007は回生式交流負荷機能です。EVSE(AC普通充電器)、ハイブリッドインバーター、UPS(無停電電源装置)、BOBC(双方向車載充電器)などの測定として最適です。
パワフルなハードウェア機能
交流負荷モードの場合、電力回生機能だけでなく、4象限負荷、単相または三相動作モードを実現できます。
並列接続(最大3台)で最大45kWの交流負荷測定ソリューションを提供します。
*Call for available
多様な設定モード
定電流(整流モード)、定電力(整流モード) 、定電阻、定電流(進み/遅れ位相モード)、定電力(進み/遅れ位相モード)があります。
波高率(CF)または電圧/電流位相差(θ)などの追加設定パラメータで整流モードや進み/遅れ位相モードなどの多様な動作モードを搭載しています。
整流モードでは、波高比(CF)を1.414〜3に設定することで整流された負荷特性を模擬できます。
進み/遅れ位相モードは、電圧と電流の位相差を0~90°可変設定することで容量性負荷(C)、抵抗負荷(R)、誘導性負荷特性を模擬できます。
半波負荷機能
CC整流モードで正・負の半波負荷、SCR / TRIAC特性を模擬する90°の立ち上がり、立下がりの半波負荷が可能です。
温度/調光家電製品、保護回路、誘導モーターの負荷特性を模擬し、電圧源の出力安定性を試験できます。
安定した負荷特性
電圧源の起動時、遮断時に負荷スタンバイ機能があります。これは、負荷およびさまざまな電圧ディップ、スパイク、およびその他の中断を伴う電源投入時のインバーターまたはUPSの耐久性と信頼性を試験するために使用できます。