(61830(30kVA)~ 61800-100(105kVA))
現在、再生可能エネルギー源としてのPVインバータ、風力発電システムなどに関する市場への需要が成長しています。そしてその需要はオングリッド製品のようなIEEE 1547 / IEC 61000-3-15 / IEC 62116等の各種標準規格や適正かつ安全な検証試験を必要としております。クロマが新しく販売した61800シリーズは4象限を用いた双方向回生型交流電源です。製品開発のみならず、品質保証や生産まで幅広いニーズにお応えします。61800はフル4象限の回生式を採用しておりますので、家電製品や産業用電子機器など、一般的な電気製品の試験用に設計したプログラマブルなAC電源です。さらにパワーコンディショナ(PV Inverter)、インバータ給電、UPSなどのグリッドの特性をシミュレートすることが可能なように設計しました。被測定物(以下UUT)からのシンクとソースや両方異なるアプリケーションをサポートすることができます。この場合、UUTのソース電流検出回路は余剰電力を感知し、グリッドに再利用(回生)されます。
61800は、家電製品などの一般的な電気製品からESSなどの大型の産業用電子機器における様々な電力状態をシミュレーションテストするために設計されたフル4象限、100%電力回生のAC電源です。さらに、PVインバータおよびオンラインUPSをテストするためのグリッド特性シミュレーションも対応しています。下図のように被測定物に対して電力をシームレスにシンク/ソースできます。被測定物が電流を供給する場合、61800は余剰電力を検知し系統に戻す機能を備えています。
61800はスマートグリッド(分散式電源)や電気自動車関連の試験に適しております(例:電気自動車のグリッドテスト(V2G)、エネルギー貯蔵システムテスト(ESS))。61800は製品の研究開発段階に適応できるだけではなく、製品の品質保証と生産段階の出荷試験にも応用可能です。
61800はフルデジタル制御技術を用い、最大相電圧300V及び30Hzから100Hz周波数の出力範囲のもとに電力供給が可能です。交流電圧の出力だけでなくAC+DC出力モードで適用アプリケーションを用いて、直流バイアス成分の試験が可能です。さらに、電流実効値の3倍(ピーク電流)出力できますので、UUTの入力突入電流テストに適用できます。
61800は定電圧と定周波数の安定化電源だけではなく、多彩な編集機能(STEP/PULSE/LIST)を装備し、電源・電圧シミュレーションを求める試験に適用することが可能です。STEPとPULSEモードは、一定あるいは連続的な電圧変動試験を可能とし、周期的な電力変動、瞬間停電といったシミュレーション試験に用いられます。LISTモードでは最大100シーケンスの設定が可能で、複雑な試験波形の編集が可能です。波形はAC/DC/AC+DCを組み合わせることができます、61800はこれらのモード以外にIEC 61000-4-11/-4-13/ -4-14/ -4-28のイミュニティ試験の予備試験が可能です。
SYNTHESIS機能は50/60Hzの基本周波数に対して最大50次の高調波波形を作成できます。
INTERHARMONIC機能は、50/60Hzの基本周波数に0.01Hzから最大2400Hzまでの周波数掃引を実行できます。上記機能は共振点を分析するのに役立ちます。
61800は、マイクログリッド試験の要件を満たすために電圧歪み、周波数変動などの様々なテスト条件をシミュレートすることができます。そのうえで61800の100%電力回生機能は重要な機能を果たし、マイクログリッド上の分散型電源によって生成された電力をシンクし、その電力をメイングリッド(系統)に戻すことができます。61800の入力仕様はメイングリッドから絶縁されるように特別に設計されており、マイクログリッド上にある分散型電源用の追加絶縁は必要ありません。
61800はIEEE 1547 / IEC 61000-3-15/IEC 62116規格試験において、以下の試験を行うことができます。
- 電圧異常試験(Voltage Abnormality Test)
- 周波数異常試験(Frequency Abnormality Test)
- 単独運転防止試験(Anti-islanding Test)
- LVRT試験(Low Voltage Ride Through Test)
- イミュニティ試験 (Immunity Test:IEC 61000-4-11/-4-34)※予備試験
- リミットテスト(Limit Test:IEC 61000-3-2/-3-3)※予備試験
ダミーロードを用いた場合、運転中に放出されたエネルギーは熱に変換しますが、61800の電力回生機能はエネルギーをグリッドにフィードバックすることで省エネ設計に適応しております。
パワコンのLVRT機能は、グリッド上で発生した異常電圧降下を定義しております。61800はLVRT試験要求を満たしており、LISTモードを使用し、過渡試験条件に必要な最小設定時間0.1msをプログラム作成することが可能です。
また、グリッド線電圧の歪みによるパワコンの性能試験は高調波合成機能を使用して評価するBDEW規格も可能です。
61800は、自動検査システム ATS8000とRLC実負荷 A800067と組み合わせて使用することが可能で、IEEE 1547/ IEC 62116規格の単独運転防止試験に対応しています。
61800は外部からファンクションジェネレータの出力波形を入力させ、異常電源波形の生成が可能です。
61800シリーズは、より高出力なアプリケーションのニーズに応えるため、マスタースレーブ出力モードが用意されています。61800シリーズの各モデルの並列組み合わせについては、以下のリストを参照してください。
Note*1: 61830/61845/61860の各機種を組み合わせることで、並列機能(最大5台まで)に対応できます。
Note*2: 61800-100は最大8台まで並列接続が可能です。
Note*3: 61800-100(800VLN)は、最大3台まで接続可能です。
61800-100(800VLN)は800VLNの外部昇圧トランスを統合し、高電圧の系統連系型PVインバータやPCSなどの三相交流電圧1000VLLでの試験要求に応じます。例:並列性能、電圧/周波数適応性、低電圧・高電圧ライドスルーなどの規制試験項目。また、61800-100(800VLN)の並列出力は、高電力試験の要件に対応します。
▲ P61800-100 (800VLN) x3台並列315kVA電力出力
61800はオーダー時にB618000 回生AC負荷機能、B618002 120kVA800VLN XHV機能などのオプション機能を追加することで、対応アプリケーションの幅をさらに広げることができます。
回生AC負荷機能はCCモード(整流)、CPモード(整流)、CRモード、CCモード(位相差)、CPモード(位相差)などの様々な機能で構成されています。
整流モードはクロマのAC負荷63800に似た特性を持つ非線形整流負荷をシミュレートすることができます。電流、電力、およびCFをパラメータ設定として使用し
て、CC機能とCP機能に対応しています。
位相差モードは、90度から-90度までの位相角設定ができ誘導型および容量型負荷に対応する電圧および電流条件をシミュレートします。位相差モード(パラメータ:電流、PF、位相角)の位相角設定が90.1度〜180度(-90度〜-180度)の場合、61800は電流源となり、波形は正弦波となります。回生AC負荷機能は主にEVSE(充電ステーション)、ハイブリッドPVインバータ、PCS、UPS、およびマイクログリッド関連のテストアプリケーションに応用することができます。
Please refer to the following as 61800 models support list for AC load function:
B618002 800VLN XHVオプションは、2つの61860を直列に接続することで最大800VLN(1385VLL)出力可能になるオプションです。B618002 XHVオプションは、最大1000VLLの線間電圧駆動の高電圧PVインバータのテスト要件を満たすことを目的としています。
61800の各機種の高圧タンデム機能組み合わせは、下記リストをご参照ください。
Note*1: B618002: 800VLN 直列高電圧機能
Note*2: B618005: 900VLN 直列高電圧機能