(17020)
17020は、バッテリーモジュール/パック試験のために開発された高精度な充放電試験システムです。バッテリーの耐久試験、製品入出荷検査、バッテリー生産ラインにおける容量特性などの認定試験といった用途に適しています。
バッテリーのようなグリーンエネルギー製品はエコロジーな生産方式が望まれます。しかしながら、従来の充放電試験システムでは放電エネルギーは熱エネルギーに変換されるため空調対策が必要とされていました。17020は放出したエネルギーを回生できる構造のため、バッテリーから放電したエネルギーを系統側に回生でき、また、バッテリーの充電時に必要なエネルギーに直接利用することもできます。回生機能によりエネルギー消費の問題を改善することができ、かつ、空調対策に必要なコストを大幅に削減することができます。
17020は独立したマルチチャンネル方式を採用しているため、チャンネルごとの独立操作によって各バッテリーに異なる試験を行うことができます。また、チャンネルは並列運転機能を備えておりますので、17020のシステムを使用するうえで試験の柔軟性を高められます。被測定物(DUT)の試験に必要な容量に基づく、試験項目を設定することができますので、製品ラインナップごとに試験システムを購入する必要がなくなり、1台のシステムによって高いコストパフォーマンスを発揮できます。
17020を制御するソフトウェア「Battery pro」は、フレキシブルな試験項目のプログラム機能を備えており、完全に各チャンネルごとに独立した試験あるいは並列運転した状態での試験を行うことができますので、バッテリー試験の多様化に適しています。
さらに、中断のない充放電転換機能を備えておりますので、スピーディーな充放電切換を行うことが可能です。高速充放電モードも設定した状態でシミュレーション・プログラムを設定すると各種バッテリーが実際に動作した状態をシミュレーションすることができます。
Battery Proは高精度高確度のテストレポートを自動的に作成でき、バッテリーフィード検査、 バッテリー管理システム試験、バッテリー耐久試験など、製品における信頼性データの評価に用いることができます。この充放電試験装置はバッテリーの工場の生産から出荷検査にまで、幅広く応用することができます。
バッテリー試験においては、安全を重視しておりますので、試験プロセスにおける過電圧や過電流等の異常検出機能によりUUTの破損を防いでおります。また、データ損失を起こすことなく、再起動後中断地点から試験を継続させることができます(初期状態からやり直すことも可能です)。
システム機能
- ドライブサイクルシミュレーション試験
- パワーバッテリーモジュール生産ライン容量試験
- ライフサイクル試験
- バッテリーモジュールバランス試験
- 直流抵抗試験
- バッテリーモジュール耐久試験
- バッテリーモジュール電圧、容量、出力試験
- バッテリーモジュール充放電特性試験
- バッテリーモジュール信頼性試験
- 過充/放電電圧試験
- 温度テスト
回生電力を最大限に利用
バッテリー放電時の電力を回生し、最大限にエネルギーを利用します。放電エネルギーは充電可能なバッテリーモジュールに供給し、余剰エネルギーは系統に回生します。この動作により大量の熱エネルギーが発生することが無く、装置や作業環境において熱による温度上昇を避けることができることで空調費用を削減できます。工場内ではTHDが5%に低下、力率は0.9以上の回生電力をを利用が可能です。放電時、定格出力の20%以上で、85%の回生率を達成しております。
Parallel Control - Up to 60 Channels
並列運転機能により各種出力の被測定物に対応
並列運転機能により、異なる被測定物の試験を行うことが可能ですので、被測定物の仕様に応じた装置を使用する必要がありません。バッテリーには大容量から小容量まで多種の機種がありますので、大容量の試験装置を使って小容量バッテリーの試験を行うことになった場合、測定精度は粗くなります。そこで、この並列運転方式を用いれば、実際の容量に近い試験が行えますので精度の要求に合わないという問題は発生しません。 |
ドライブサイクルシミュレーション(実運転模擬)
ドライブサイクルシミュレーションを使用することで、実際に動作しているバッテリーの状態をシミュレーションすることができます。
高速サンプリング測定技術による正確な容量計算一般のバッテリー充放電試験試験システムはコンピューター内部のソフトウェアで容量を計算します。よって、データ伝送時間に左右され、伝送速度に限度があることから、波形作成モードを使用した容量計算は誤差が生じてしまいます。17020はV/Iサンプリングレートを高めるとともに、二次積分法を用いていることから正確な容量計算を行いますので、電流変化時のデータ遅延・欠損を起こすことはありません。
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システムの特長
独立チャンネル
運転モード
カットオフモード
動的変換
反応時間
(電流グラフ) |
温度測定簡単で便利な温度測定機能により、保護条件とカットオフの条件が設定できます
停電リカバリ1秒周期でデータを一時的に保管する機能を備えています。また、約60分間の中断リカバリ機能を備え、停電やコンピューター停止後、復帰した時に中断したデータを使用してテストを継続するかどうか選択できます。 保護
設置スペース・作業スペースの節約電力密度と回生による熱回収技術により、従来必要であった作業スペースをコンパクトにします。 |
自動試験システムソフトウェアプラットフォーム
17020のソフトウェアプラットフォームBattery Proは、二次電池モジュールの各項目の試験要求に対して、高い安定性と安全性を備えております。また停電データ保存リカバリ機能を備えておりますので、データ損失を防ぎます。
使いやすいインターフェース
- 多言語インターフェース:中国語(繁体)/中国語(簡体)/英語の3言語選択可能
- リアルタイムモニタリングシステム採用:システムの試験状態をリアルタイムかつチャンネルデータとシステムデータを同時に確認することができます
- アイコン管理:チャンネルの試験状態は各アイコンで管理され、各項目別にチェックすることが可能です
- 使用権限設定:装置を操作する人のみ権限を与えられます
- チャンネル異常追跡:チャンネルの異常状態を独立してチャンネルごとに記録できます
試験項目の編集
- 255個の充放電条件を編集
- ダブルサイクル・ループ機能(Cycle & Loop)で、各層9999個のサイクル・ループを設定可能
- ユーザー定義の充放電波形を編集
- 各種充放電条件(定電圧/定電流/定電力/定電圧―電流波形/直流抵抗)の編集機能
- カットオフ条件(時間/電力/電圧/電流/温度)の編集機能
- 動作条件の設定可能
レポートウィザードとレポートフォーム
- レポートのフォームを定義
- PDF、CSV、XLS フォーマットで作成可能
- レポート自動作成機能
- レポート分析機能:X・Y軸のパラメータを決定し、ニーズに合った試験レポートを生成可能(文書ソフトなしでレポート発行可能)
- 各チャンネルレポートとカットオフレポートを作成
- ライフサイクルテストレポート、容量―電圧レポート、充放電テストレポート生成可能
システム統合
- 恒温槽(Chamber)と連動させた充放電試験に対応
- データロガー(Data Logger)と連動させた充放電試験に対応
- バッテリーマネジメントシステム(BMS)と連動させた充放電試験に対応
CHROMA Data logger 51101 provides synchronized sampling with constant data acquisition rate.
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高性能ハードウェアデバイス
バッテリーシミュレーション機能
17020は、バッテリー充放電・バッテリーシミュレーションの2種類の機能を備えております。バッテリーモジュールシミュレータはバッテリーモジュールを接続して使用する機器を試験することができます。製品の設計・研究開発時に必要となるバッテリーがない場合、17020のバッテリーシミュレーション機能を使って、その製品が正常に動作するか、確認することができます。また、各種バッテリー電力状態(SOC)のプログラムができますので、バッテリー曲線を描くことで、バッテリーの試験評価を行うことができます。また、電気自動車用モータードライブシステム、電気制御装置、車載充電器などの各試験に応用することができます。
バッテリーモジュールシミュレーション機能
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バッテリーモジュール保護機能
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シングルチャンネル双方向電源装置
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テストデータのリアルタイム表示
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バッテリシミュレーター
17020とバッテリシミュレーターソフトウェアがあればバッテリーパックとバッテリーパックに接続される製品を試験することが出来ます。製品がまだ研究開発段階であったり、対象のバッテリーがまだ利用できない場合、17040は製品がシステムとして機能するかどうかシミュレーションすることができます。さらに、SOCが異なるバッテリーをコントロールできます。加えて、DUTの充放電の状況を見るために異なる充放電カーブを17020にダウンロードし、試験することができます。バッテリーとDUTの並列評価試験を進めることが可能で、スタートストップ用モータードライバ、EV照明コントロール、車載充電器など多くのEV電装品に対応しています。
バッテリーシミュレーターインターフェース
オプションのバッテリシミュレーターソフトウェアは17040を充放電可能な双方向電源として使うことができます。更に、電池容量やDCR、V-SOCカーブを17040にダウンロードし、充電器、インバータ、モータードライバの試験に使うことができます。