Chroma 1871 は、チップインダクタの量産用テストレイヤーショートに特化した自動試験装置です。インパルス巻線試験機Chroma 19301Aの判定機能(面積、ラプラシアン)を継承し、新たにΔPeak RatioとΔResonant Area2つの試験機能を搭載しています。
現在、電子機器には小型のインダクタが多く使われており、パワーインダクタの大量生産が必要となっています。Chroma 1871の生産能力は最大1,500ppmで、要求される数量を満たすことができます。5つのレイヤーショートテストステーションを使い、一度にテストを行うことで、高速生産を実現しています。 また、R&DやQAユニット用に2層ショートテストステーションを選択し、費用対効果の高い方法で運用することも可能です。
Chroma 1871は、円形の振動板で薄手の製品を高速で搬送し、給紙する方式を採用しています。円形振動板は、ガイドレール設計、繊維検出、ブローホールにより、送り方向を決定します。 従来の直線往復式のメカニカルフィーダーと比較して、高速かつ省スペースを実現します。
従来、インダクタを移動させて試験を行う場合、ノズルでインダクタを吸着して移動させる往復式やターレット式の機械構造では、慣性の影響や位置精度の悪さから製品が落下して試験不能になることが多く、そのような事態を回避するために、ノズルやノズルの形状を工夫しています。 Chroma 1871は、テストにインデックスディスク設計を採用し、高速移動時のインダクタの脱落を排除できるクローズドアーキテクチャの中に機器を収めています。 従来の機械構造と比較すると、より高速で安定した動作が可能です。
Chroma ATE Inc.は、電子計測技術に特化しているだけでなく、自動計測装置の治具設計にも精通しています。Chroma 1871が使用するテストソケットは、4線式測定設計で、一般的な自動測定器よりも高精度かつ安定した測定が可能です。テストソケットとインダクタの接続に適用されるチップ設計は、使用中のプローブと比較して接触しやすく、製品寿命も長くなっています。
Chroma 1871は、生産中の試験状況をリアルタイムにモニタリングし、収集した試験データをインダクタごとに保存する専用ソフトを搭載しています。リアルタイム監視機能は、製造時の生産リスクを低減し、無駄な労働時間を削減することで、生産部門にメリットをもたらします。 データ収集機能は、研究開発部門やQA部門が製品分析や品質管理を行う際に有利です。データ解析を行い、製品の品質向上や利益向上につなげることができます。
アプリケーション
RDおよびQAバッチ検証用 2つのレイヤーショートテストステーション
研究開発部門やQA部門は、レイヤーショートテストを利用して、全製品の欠陥状況を検査することができます。そのため、製品のデータや品質を分析するために、テスト時のデータ収集が必要です。
高速生産ライン用5層ショートテストステーション
生産ラインでは、5つのレイヤーショートテストステーションを選択し、同時に5つのインダクタを試験することで、試験時間を短縮し、迅速な生産が可能です。 また、テスト中にテスト状況やデータをモニターして収集することも可能です。