耐圧試験器 Model 19055/19055-C

  • CE Mark
  • Rohs 2 Compliant
耐圧試験器
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耐圧試験器
特長
  • トランス容量:500VA
  • フローティング出力設計(EN50191準拠)
  • コロナ放電検出(19055-C)
  • 電気フラッシュオーバー検出
  • ブレークダウン電圧測定機能
  • オープン・ショート検出(特許取得済)
  • 高周波接触検出(特許取得済)
  • GFI人体保護回路
  • 標準インターフェース:RS-232
  • オプションインターフェース:GPIB & Handler
  • パネルロック機能
  • プログラマブル電圧出力と測定限制値
  • CE 認証

機能

  • 耐圧
    • AC 5kV/100mA
    • DC 6kV/25mA
  • 絶縁抵抗
    • 最大試験電圧:5kV
    • 抵抗測定範囲:0.1MΩ~50GΩ

19055の耐圧試験仕様は、AC5kV/100mA(AC4kV/120mA)、DC6kV/20mA、絶縁試験の仕様は0.1MΩ~50GΩとなっており、大電力の耐圧絶縁試験要求に対応できる試験器です。

19055-Cは、基本的なAC耐圧、DC耐圧、絶縁抵抗試験のほかに、新しく開発した、コロナ放電現象を検出できるコロナ(Corona)放電測定機能、ブレークダウン電圧(BDV)測定、プログラマブル電圧上昇機能を備えています。

モーター: 産業用モーターや電気自動車のモータなどの回転機械は長い時間、温度や湿度において大きな変動がある環境下で使用されるため、高い耐久性と信頼性が必要とされます。温度や湿度は絶縁機能に影響を与える大きな要因です。
もし、コロナ放電が発生した場合において、長い時間の温度の上昇により、材料の質的変化が生じ、絶縁劣化につながる原因となります。耐電圧試験にいてコロナ放電の検出を追加することで、絶縁上における品質要求が改善されます。具体的には、早い段階で絶縁不良の製品を見つけ出すのに役立ち、長期使用に起因する欠陥率を減らすことが可能です。

変圧器: トランスの一次側において絶縁不良がある場合、一次巻線はコロナ放電が生じている可能性があります。
長時間使用により、一次側の部品がコロナ放電状態にある場合は絶縁機能が低下します。一次巻線の絶縁能力はエナメルの炭化の影響を受け、最終的には燃えてしまいます。コロナ放電検出機能(CDD)はコロナ放電を事前に検出し、製品の品質を維持することができます。

高電圧キャパシタンス、フォトカプラ、絶縁材質: 19055が搭載している放電レベルの分析機能は、高電圧キャパシタンス、安全キャパシタンス、フォトカプラや絶縁材を検証するために行われます。
絶縁媒体中で製造工程に起因する隙間や空孔がある場合は、別の電界が形成され、耐電圧試験において、コロナが発生します。このような状況が長い時間継続すると、媒質が変化を起こし、絶縁不良が発生します。19055シリーズ耐電圧·アナライザは、コロナ放電開始電圧(CSV)、フラッシュオーバ開始電圧(FSV)と絶縁破壊開始電圧(BDV)の検出、コロナ放電と放電レベルの解析の、コロナ放電検出(CDD)機能を備えています。これらにより本器は、製品の絶縁性能を確認するための有用なデータを収集し、製造の信頼性を高めることが可能です。

誘電耐圧テスト ブレークダウン/フラッシュオーバー/コロナ放電検出

規格における説明の多くは、“テスト中にフラッシュオーバーや絶縁破壊が生じてはならない”としています。最近では、絶縁不良と放電の研究は、絶縁材や高電圧部品において非常に重要になっています。なぜなら電気的放電と絶縁機能は相互に関係しており、放電レベルの検出は安全性の問題ばかりではなく、製品の品質においても重要な問題となっています。放電は材料の放電特性に応じてコロナ放電、グロー放電とアーク放電と3つのグループに分類することができます。

コロナ放電:2つの電極に高い電圧を加えると電界は強くなります。電流によって生成された電界の強さが空気のイオン化ポテンシャルよりも大きい場合は、断熱材の表面上の空気が一時的にイオン化し、可視光の発生および放電周辺の温度が上昇します。長時間のコロナ放電と温度上昇は材料の品質変化、絶縁劣化を引き起こし、最終的に絶縁不良を引き起こします。

図1は、コロナ放電を示しています。コロナ放電は、高周波測定によって高頻度に検出される現象です。

グロー放電とアーク放電:高電圧を絶縁材料に印加した場合、その内部と表面の一部で放電する可能性があります。
高電圧により絶縁材料は、その絶縁能力を失い、炭化導通路を形成し、製品の損傷につながる可能性があります。また一時的もしくは不連続な放電を引き起こす可能性があります。
オーバ/アーク放電は、漏れ電流をモニタリングするだけでは検出できません。試験電圧や漏れ電流の変化率は、故障した製品を選別するためにも使われます。
フラッシュオーバ検出は、電気安全試験の中で最も必要不可欠なテスト項目の一つです。

別の放電特性については、19055シリーズは、コロナ放電検出(19055-Cのみ)を含む放電レベルの分析を提供し、アーク/フラッシオーバ検出と絶縁破壊を検出します。これらの機能は、研究および品質保証のために最適なツールです。

Corona Discharge
図1: コロナ放電


図2: フラッシュオーバー波形

接触チェック 高周波数接触チェック HFCC、特許出願中解放、短絡チェック(OSC)、特許:254135

テスト中において開放(接続不良)または短絡(供試体回路の短絡)がある場合は、OSC機能によりチェックができます。供試体が試験中において開放の場合は、製品が良いものとして誤認される可能性があります。
供試体が短絡している場合は、
OSCの機能で短絡を検出することで、テスト·コストの節約および、治具の損傷を防ぐことができます。

一般に、耐圧テスト対象の製品は、静電容量(
CX)を持っています。CXは、通常、数十pFから数μFです。回路接続が開放したとき、小容量のキャパシタンスが生成され、それは通常10pFより低くなります。
それが、製品全体の容量となり正常値よりも低くなります。製品が、短絡またはそれに近い短絡状態のときにおいては、製品の容量が通常より高くなります。したがって、静電容量変化の上限
/下限は、開放・短絡の問題を識別するために使用可能です。

HFCC(高周波接触チェック)は接触チェックのための新しい計測技術です。HFCCAC / DC耐電圧試験と同時に行うことが可能です。テスト周波数は1MHzであり、大幅に接触チェックおよび生産効率の精度を向上させます。

放電レベルの分析(DLA)

受動部品の耐電圧は、絶縁材料や製造プロセスに依存しています。絶縁性を向上させるために、放電レベルはコロナ放電、フラッシオーバとブレイクダウンレベルを含めて定義、分析する必要があります。
19055は、分析のために起動電圧、ランプ時間、ステップ、リミットをプログラム可能な放電レベルの解析モード(DLA)を追加しました。

放電レベル分析(
DLA)は3つのレベルの判断があります。:コロナリミット、アーク /フラッシオーバーリミットとブレークダウンの上限です。
DLAモードは、制限セットの異なるレベルに応じて、耐電圧が表示されます。リミットは、コロナ放電開始電圧(CSV)、フラッシュオーバースタート電圧(FSV)、およびブレークダウン電圧(BDV)です。
開発及び品質の担当者は、放電電圧のデータ収集と分析により、絶縁性を向上させることができます。

オペレータ保護 フローティング出力/漏電遮断(GFI)

電気安全試験の目的は製品使用者を保護することです。同様に試験装置オペレータが操作中においても、試験装置から保護する必要があります。

19055はオペレータを保護する2つの機能があります。フローティング出力と漏電遮断(GFI)です。

試験装置を操作するオペレータの安全のために、新技術を開発しました。
 EN50191の安全規格に適合したフローティング出力回路です。フローティング出力状態時において、どの耐電圧テスト用端子にオペレータが接触しても、漏電電流は3.5mAよりも低くなり、オペレータが感電により負傷することはありません。

漏電遮断(GFI)は、開発したもう一つの人体保護回路です。 i1i2の間の電流差iHi1-i2)が、電流計A1 A2で検出し、その値が非常に高い時、GFIの機能は、電気的衝撃から人体を保護するために、ただちに電源を切断します。
それは安全規格に準拠しているだけでなく、テスト担当者のためのセーフガードでもあります。


▲ Figure 5: Floating output

▲ Figure 6: Floating output
 
 

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