Chroma 17010バッテリー信頼性試験システムは、リチウムイオンバッテリー(LIB)、電気二層コンデンサー(EDLC)、およびリチウムイオンコンデンサー(LIC)を試験するために最適設計された充放電試験装置です。
サイクル寿命試験、製品検査、信頼性試験など研究開発から品質管理まで1台で実現します。
17208M-5-12C 超高精度充放電テスター
Chroma 17208M-5-12Cは、高精度測定アプリケーション向けに設計された 超高精度プログラマブル充放電試験装置です。クーロン効率分析、容量や電圧の微分分析などの試験には、長時間安定かつ高精度高確度でバッテリーの電圧と容量を測定する装置が必要です。高信頼度の試験データがあれば、試験後のデータ処理が楽になります。Chroma 17208M-5-12Cは、4つの電流レンジ (12A, 4A, 0.4A, 40mA)を持ち、ノイズを最小限にし、測定品質を向上させることができます。
高い安定性、高精度と高確度
17208M-5-12Cは、特別に設計された電気回路と構造により、設備放熱の影響が少なくなり、長時間安定する測定ができます。測定精度±0.01%F.S.は試験の一致性を保ち、±0.001%F.S.の確度は、測定数値の正確さを保証します。
• ±0.01% of F.S.測定精度 (Accuracy)
• ±0.001% of F.S.測定確度 (Precision)
高い分解能、低ノイズ出力
17208M-5-12Cは、24bitのADCを採用、高い測定分解能の設定することができ、より正確な電気信号測定が可能です。
• 電圧測定分解能:1μV
• 電流測定分解能:0.01μA
DVAデータ処理
Differential Voltage Analysis(DVA) は、バッテリー劣化分析評価の一種です。課題として、装置の確度、精度問題により、特徴ピークがマーキングしつらいことが存在し、膨大の時間とリソースをかけスムージング処理をする必要があります。またスムージング処理に伴う曲線歪みが発生してしまうリスクも存在しています。17208M-5-12Cは、安定する出力能力でノイズが少なくなり、綺麗な曲線を描くことが可能、DVA分析の特徴ピークが判別しやすくなります。
リニア式の特長
高精度&電流多レンジ設計
• 電流レンジの高速切替: 複数の電流出力と測定レンジの切替が可能で大電流と小電流の両方の試験に対応しています。
システムは、テスト開始時に出力電流を検出して自動的に電流レンジを高速切替します。
これにより、テストデータの精度と分解能が向上します。
• 定電圧モードの自動レンジ切替: リニア式シリーズは、定電圧テストモード時に電流レンジを出力中断なしで自動切替できます。
フロート充電などの試験アプレケーションの低電流出力の長期的かつ安定した試験に最適です。
安定した低ノイズ出力
低ノイズ出力と高測定精度を備えています。
電流、電圧を高精度で測定することで電圧を容量で微分することで得られる特徴的なピークや強度により、リチウムイオン電池の劣化メカニズム解析できます。
高速サンプリング技術
電圧および電流を高速サンプリング(20μs)機能で取得し、1msごとにフィードバックする二重積分法(ADC)を採用しています。
一般的なサンプリングによる容量計算法に比べ、より正確な容量計算による累積誤差問題を解決できます。
• ハードウェア内部電圧/電流サンプリングレート: 1ms
• ステップ変数使用時のサンプリングレート: 1ms-6ms
• レポートサンプリングレート: 10mS
リップル出力
Chromaリップル電流試験ソリューションは、100Hzから20kHzまでの交流電流を17010充放電装置 (モデル 17212M-6-100S)に重畳させ、電気自動車インバーターや、充電ステーションのバッテリー加熱アプリケーションを再現し評価するためのソリューションとなります。
• リップル周波は、100Hzから20kHz、振動幅75App、並列すると150Appまで可能 (カスタマイズ可能)
• 直流充放電終止条件への影響が最小限に抑えるための独立交流/直流回路設計
• CC、CV、CP充放電モードに対し、リップル電流重畳機能
並列出力
Chroma17010は 、 全機種が並列機能を持ち、より高い倍率の電流出力能力を提供しています。試験の柔軟性が高くなり、様々なDUTに対応できます。
電圧3レンジ出力
17216M-10-6は、3種類の電圧範囲を選択できます。
• 0V - +5V: Half-cell, full-cell, EDLC testing |
電力回生式シリーズの特長
電力回生
放電電力を自動的に他のセルの充電に利用するDCダイレクト回生と余剰電力を
系統連携に回生するACグリッド回生があります。
放電時の消費電力や排熱による空調の無駄を削減できます。
• DCダイレクト回生:回生効率 >80% |
Super充電/放電出力モード
電力回生式シリーズは、最大30sのSuper出力モードが可能です。
大電流・短時間パルス試験のSuper充放電モードをステップで設定、実行できます
• 17212M-6-100S: CCモードおよびCPモードの充放電出力120% |
高速電流応答 (<1ms)
電力回生式シリーズは、0~1200Aの電流立ち上がり時間1ms未満です。
走行中の充電、放電動作の瞬間的なピーク電流をシミュレーションすることができ、
NEDC、FUDS、DSTの試験基準に適合できます。
• 17212M-6-100S: < 1ms (10%~90%) |
システム統合・保護機能
各種恒温槽およびデータロガーの統合をサポートしています。
Battery LEx ソフトウェアは、パラメータ設定とデータモニタリングの同時対応や、テストデータとレポートを自動統合します。
① データロガー
• 記録:温度 (℃)、 電圧 (V)、 圧力 (mPa)、 荷重 (kg)
• 外部データ温度制御:遮断または保護の判定として使用できます。
② システム保護と異常検出
• 多数の内蔵レシピ保護に従い、応答速度1msで監視および検出します。
オプションの電圧/温度メーターリレーを使用することで信頼性の高い二重保護を実現できます。
• 独自のロジックにより、各テスターのリアルタイム異常を自動検出します。
システム中断後、データを失うことなく、テスト再開することができます。
③ 恒温槽統合と安全装置
• Battery LEx ソフトウェアには、恒温槽設定コントローラー、恒温槽制御ステップを内蔵しています。
温度、湿度、温度制御時間、さらし時間、スタンバイ温度、タイムアウト、過熱保護を制御できます。
• 試験状態の一貫性を確保するため、グループ管理構造により、同一恒温槽内のすべてのチャンネルを同時に温度制御することができます。
• 内蔵DI/DO機能は、煙検知器、ガス検知器、熱検知器、消火器、過熱、過電圧、扉開放のアラーム接続できます。
システムは、テストの停止や電源オフなど、さまざまな検出レベルに応じた処理を実行します。アラームデータをe-mail送信できます。
カスタマイズ テスト システム
BATTERY LEx ソフトウェア
Battery Lab Expert (Battery LEx) は、17010シリーズ専用に開発されたソフトウェアです。
1. グループテスト機能: 同一グループで最大96チャンネル、50,000ステップのテストが可能です。
2. 変数編集機能: 外部機器(データロガーなど)のデータを使用した変数制御や条件設定が可能です。
3. 恒温槽制御機能: DI/DO拡充により恒温槽の動作ステータス、保護機能のリアルタイム監視が可能です。
プロジェクトブラウザ(Project Browser)
最大 500 プロジェクトが作成でき、さまざまなバッテリー(DUT)タイプまたは試験条件に従って、テストプランを作成します。
プロジェクトブラウザを使用することで波形シミュレーションデータおよびレシピコンテンツを簡単に確認または調整できます。
• DUTデータベース: レシピ編集時のパラメータ入力や別レシピと簡単に共有できます。
• 波形シミュレーションフォルダー:Excelデータポイントをインポートすることで波形時間間隔(固定/ユーザー定義)、出力倍率、データ範囲を設定できます。
• 閲覧中にリアルタイムでパラメータ調整と保存ができます。
• テストプランを簡単にキーワード検索できます。
• Excel形式でテストプランを送信できます。
レシピエディッター(Recipe Editor)
階層編集構造(テストプラン→メインレシピ→サブレシピ)で、レシピ共有、置き換え、既存サブレシピとの組み合わせにより、さまざまな充放電テストアプリケーションの新しいレシピを簡単に作成できます。
• ステップタイプ: CC/CV/CP/CC-CV/CP-CV充電・放電, CR放電, 電流/電力Waveform, 休止, 共通休止, 恒温槽制御, Super CC/CP充電・放電
• 終止条件: ステップ終止条件→電流、電圧、電力、容量(Wh)、容量(Ah)、時間
レシピ終止条件→電流、電圧、電力、累積容量(Wh)、累積容量(Ah)、時間
外部終止条件→各ステップに最大4条件設定できます
• 移動: 次へ, 終了, ジャンプ, If-thenロジックジャンプ。
各ステップで複数の終止条件とジャンプを対応できます。
• 特殊入力: C(定格容量)レート、OCV-SOC、容量%、±V、変数
• 4段階サイクル: 最大999,999サイクル。ステップ毎のサイクル数とサイクル時間の終止条件が可能です。
• 変数設定と終止条件: サブレシピ単位で18セットの設定とサブレシピ間で使用できる2セットの計20セットの変数設定ができます。
ステップ開始時の1ms~100msの変数を一時保存または、ステップ開始/終了時のテスト値を記録し、二次計算の変数として定義できます。
• 保護: 電圧、電流、恒温槽温度、容量(Wh)、容量(Ah)、Δ電流、Δ電圧、CC-CV時間、CP-CV時間
レシピエクスキューター(Recipe Executor)
さまざまなテストプランに従って、グループ管理します。
グループ内の全チャンネルが同時に試験開始した時、リアルタイムで試験状況を表示します。
恒温槽と統合することで各チャンネルが自動で待機し、全チャンネルが同一状態になるまで温度制御を開始しません。
恒温槽内に複数のグループがある場合、グループ間で待機するように設定できます。
• 制御モード: 開始、一時停止、再開、停止、一時停止予約、スキップ、指定開始、一時停止ジャンプ、プレビュー |
リアルタイムグラフ表示(Real-time Chart Display)
試験中の充放電カーブをリアルタイム表示します。
マウスをドラッグしてデータの拡大&縮小、データ値表示、任意チャンネルと軸項目を選択することができます。
• サンプリング時間で最大36,000ポイントのリアルタイムチャート |
テストレポート(Test Report)
• 自動レポート: サブレシピのテストが終了すると、ユーザーが設定したパス、ファイル名に自動出力されます |
恒温槽制御・DI/DO信号制御 (Chamber Control and System DI/DO Signal Control)
• トリプル恒温槽制御: 恒温槽ステップ制御、リアルタイムリモート制御、メンテナンスモード |
テストアプリケーション
リップル重畳アプリケーション
バッテリー加熱(交流電流)アプリケーションの効率評価
氷点下では電解液の導電率が急激に低下し、高い内部抵抗によって電気容量が低下し、充電効率が悪くなります。そのため、バッテリーを直流か交流電流で加熱し充電効率を回復させることが必要の解となります。交流電流の周波数はバッテリーの電気化学反応を起こらないように選択することが推奨されています。
バッテリー加熱(交流電流)アプリケーションの効率評価
リチウムイオン電池(リップル状態)の劣化速度評価
電機自動車のインバーターは、リップルを発生する特性があります。リップル周波数がBMSの測定範囲外、かつバッテリーの上限電圧を超える時、バッテリーの劣化速度を早まることが可能となります。特に低温状態では、バッテリーの内部抵抗が何倍も上昇するため、劣化速度をさらにあがるかもしれません。
リチウムイオン電池(リップル状態)の劣化速度評価
直流内部抵抗 (DCIR)
17010シリーズには、2つの条件設定が可能な直流内部抵抗(DCIR)テストモードがあり、変数計算機能により、IEC 61960規格に適合したテスト結果を
自動算出できます。
• DCIR (1)テスト: 1 回の電流変化によって生じる電圧差により算出します。
• DCIR (2)テスト :2つの電流間の変化によって生じる電圧差により算出します。
dV/dQ曲線解析電極の劣化や充放電領域のずれを定量的に評価する手法の低電流(<C/20)放電曲線における電圧(V)を容量(Q)で微分して得られるdV/dQ曲線解析ができます。 |
HPPC試験USABC(U.S. Advanced Battery Consortium)によって作成されたハイブリッド自動車や電気自動車向けバッテリー性能評価HPPCテストに対応しております。 |
容量試験充放電開始から終止条件までの時間による電流積算により、容量を算出しています。 |
サイクル寿命試験サイクル寿命は、バッテリーの最も重要な試験項目の1つです。 |
負荷特性試験バッテリーは、さまざまな用途別に負荷特性を評価します。 |
自動校正機A170103
高精度の維持とトレーサビリティーが保証された校正標準コンポーネントを備えた自動校正および検証装置です。
• 再現性
• 効率化
• 自動レポート・トレーサビリティの管理
仕様環境