電動バイクとその充電システム市場は二輪車大国の多いアジア圏を中心にグローバルに発展していくと予想されており、台湾政府でも2035年までにすべてのバイクを電動化することを目標として掲げています。
クロマは電動バイクの充電システムに対する試験システム需要が増えていくことを見据え、工業技術研究院、Ship And Ocean Industries R&D Center (以下SOIC)、eTreego株式会社と共同研究を行っており、このたび研究成果として「電動バイク充電器互換性測定システム」を10月9日に開催された台北国際電子展にて正式に発表しました。
今回発表した「電動バイク充電器互換性測定システム」は工業技術研究院が制定した「電動機車固定式傳導式充電系統產業標準(注:台湾における電動バイク充電システム標準規格)」に基づき、電動バイク及び充電器の正常充電と異常放電の状態をシミュレーションすることができます。例えば、研究開発から製品出荷前テストにおける電気的特性と通信コミュニケーション状態の評価・測定、製造工程における品質管理とモニタリングにシステムを応用することができます。
工業技術研究院は規格の立案者であり、製品能力認証能力を強化するために規格を制定しました。また、台湾の経済部技術課による技術プロジェクトの率先したサポートによって、クロマ、SOIC、工業技術研究院が共同し、測定システム内部の充電シミュレーションインターフェースを開発しました。一方で、eTreego株式会社とは充電通信モジュールと充電器設計開発において協働しました。充電設備は電動バイクやEロコモーションが普及するにあたって重要な技術です。今回の研究成果は電動バイクの発展、充電安全性の改善と電動バイク利用者の増加に貢献できるだけでなく、その波及効果は台湾だけではなく確実に世界に広がっていくことでしょう。
クロマはスマートエネルギー産業に長年信頼性の高い試験器と試験システムを提供しており、電気自動車の分野では主要コンポーネントの測定・評価においてクロマの試験器は大きな成果をあげています。例えば、車載充電器、交流/直流充電器、二次電池、BMSやモータステータなどに対するテストソリューションは全世界の完成車メーカや1tier及び試験認証機関に採用されています。我々の試験システムは電気自動車業界だけでなく、関連産業にも応用できる可能性を秘めていると確信しています。
(左から、敬称略)工業技術研究院機械所長/張念慈(左から)、Chroma ATE Inc./張承濂、eTreego株式会社ゼネラルマネージャ/簡金品、SOIC副代表/周顯光、台湾経済部産業技術担当/何祥瑋